近視進行を抑制するための目薬
一度伸びてしまった眼軸長がもとに戻ることはありませんが、この伸びを抑えることで、近視の進行を抑制することが可能です。
そこで近年注目を集めているのが、「マイオピン（Myopine）」という点眼薬です。眼軸長の伸びを抑制するアトロピン（Atropine）を0.01％配合しており、近視の進行抑制効果が確認されています。
なお当院では、0.01％のマイオピンで十分な効果が得られない場合に限り、0.025％のマイオピンを使用することも可能です。
マイオピンの特徴
- 近視の進行を平均して約60％軽減します
- 就寝前に１滴を点眼するだけの手軽な治療です
- これまでに重篤な副作用は報告されていません
- 遠近調節機能（遠くを見たり近くを見たり）にほとんど影響しません
- 日中の光の感じ方に影響しないため、サングラスはほぼ不要です
- GMP（医薬品製造管理及び品質管理基準）に準拠した工場のみで製造されています
マイオピンの安全性
マイオピン点眼治療において、これまでに重篤な副作用は認められていません。
シンガポール国立眼科センターの臨床試験にてアトロピン0.01％の点眼を2年間継続した結果、以下のような報告がなされています。
- アレルギー性結膜炎や皮膚炎は起こらなかった
- 眼圧に影響を与えることはなかった
- 電気生理学上、網膜機能への影響は認められなかった
- 白内障になることはなかった
- 治療終了後も、目の遠近調整機能が低下したり、瞳孔が開き続けてしまうことはなかった
マイオピンの効果
子どもの近視の多くは、近くでものを見ることが習慣化し、眼軸長が伸び（眼球が前後方向に長くなり）、網膜より前方でピントが合うことで発生し、進行します。
一度伸びてしまった眼軸長がもとに戻ることはありませんが、この伸びを抑えることで、近視の進行を抑制することが可能です。
そこで近年注目を集めているのが、「マイオピン（Myopine）」という点眼薬です。眼軸長の伸びを抑制するアトロピン（Atropine）を0.01％配合しており、近視の進行抑制効果が確認されています。
なお当院では、0.01％のマイオピンで十分な効果が得られない場合に限り、0.025％のマイオピンを使用することも可能です。
マイオピンの適応
13歳以上である場合も、一度、当院にご相談ください。
マイオピンの使用方法
マイオピンは、毎日、就寝前に両目に1滴ずつ点眼するのみの非常に簡単な治療です。
点眼のし忘れのないよう、親御様のご協力が必要です。
※1容器は1カ月間の使い切りとなります。感染予防のため、余った場合も、必ず1カ月で廃棄します。
マイオピンの費用
| 費用 | |
|---|---|
| マイオピン0.01％ | 3,850円／1本 |
| マイオピン0.025％ | 3,630円／1本 |
※税込み価格です。
※別途、税込み1,650円の診療費がかかります。
マイオピンの検査
治療開始前に、医師の診察、近視の検査、眼軸長の測定を行い、適応と判断した場合にマイオピンの処方を行います。
治療開始後も、経過観察およびマイオピンの処方のため、定期的にご来院いただきます。
マイオピンに関するよくあるご質問
治療期間はどれくらいですか？
年齢によって異なりますが、2年間の継続使用が推奨されています。
2年以内にやめてしまうとどうなりますか？
治療を行った期間は近視の進行を抑制する効果はありますが、中断によって再度近視が早く進むということも考えられます。
コンタクトレンズを使用していても、マイオピンの点眼治療を受けられますか？
眼鏡、コンタクトレンズを使用している方でも、マイオピン点眼治療を受けられます。コンタクトレンズを外した上で、点眼してください。
視力が回復する治療なのでしょうか？
あくまで近視の進行を抑制する治療であり、視力の回復を目的とした治療ではありません。ただし、近視の進行を抑制できれば、視力の低下の抑制も期待できます。
必ず近視の進行を抑制できますか？
マイオピンの点眼治療は、近視の進行を約60％軽減します。つまり、十分な効果が得られないという場合もあります。定期的に受診していただき、治療の継続・中止を相談させていただきます。
適応の年齢が12歳までとなっているのはなぜですか？
これまでに行われた研究が、6～12歳の子どもを対象としたものであったためです。13歳以上については、残念ながら現在までに十分な臨床データがありません。 ただ、13歳以上の場合でも、マイオピンによる治療によって近視の進行を抑制できる可能性はあります。ご検討されているようでしたら、一度ご相談ください。
マイオピンの点眼治療を行う中で、気をつけるべき点はありますか？
マイオピンの使いまわし（家族・兄弟姉妹であっても）、開栓後1カ月を過ぎたマイオピンの使用は絶対におやめください。いずれも、感染の可能性があります。 その他の注意点につきましては、個別に詳しくご説明いたします。
