学校の眼科検診で引っかかった…まずは一度ご相談ください
学校の眼科検診は、短時間で簡易な視力検査と学業に支障がないかどうかを短時間で行う検査のため、お子さんの眼に関する眼科検診は小児眼科で行っています。
学校の眼科検診でひとつでも引っかかった場合、まずは一度当院にご相談ください。
お子さまに下記のような症状はありませんか?
- 眼を細めて見ることがある
- テレビに近づいて見る
- 顔を傾けて見る
- 読書や学習の際、15分ぐらいで集中力がなくなる
- やけに眼をこする
- 涙や目やにが多く出る
- 眩しさを訴える
- 眼が揺れている
- 眼の形や大きさが不自然な感じがする
お子さんに以上のような症状がある場合は、なんらかの眼疾患の疑いがあります。
小児眼科は、0歳児から受診できます。お子さんが小さくて視力検査ができなくても、そのほかの診察は可能ですので、気になる症状やしぐさがある場合は、当院にご相談ください。
小児眼科で対応する疾患
小児の時期の視覚は、まだ発達途上にあるため、なんらかの影響によって正常な視覚発達が阻害されると眼疾患を引き起こしてしまいます。小児眼科では、本来の眼疾患の治療に加えて、本来の視覚発達を妨げないようにすることが優先されます。
小児眼科で対応している眼疾患は以下の通りです。
- 斜視
- 弱視
- 先天性鼻涙管閉塞
- 内反症
- 先天性白内障
- 先天性緑内障
- 未熟児網膜症
- 先天性眼瞼下垂
- 心因性視覚障害
- 先天眼振
など
近視
近視は眼の屈折異常のひとつです。お子さんの近視の進行速度は、遺伝と環境の両方の要因が影響しています。成長期に身長が伸びるのと同様に、子どもの眼球も大きく発育します。それによって、眼軸長が伸びて近視になることから、高学年になるほど近視が増加傾向にあります。
小児期の近視のほとんどは、この眼軸長の進展によって焦点が前方へずれることが原因です。環境要因で注意が必要なのは、正しい姿勢で学習時には十分な距離を取ること、晴天時には屋外で過ごすことが近視の進行を遅らせるとされています。
遠視
遠視も眼の屈折異常のひとつです。遠視は、遠くも近くもピントが合わずによく見えない状態です。
子どもはピントの調節力が強いため、遠視の発見が遅れることがあります。お子さんの遠視を放置すると、脳の見る機能が発達できず弱視を招いてしまいます。
遠視が疑われる場合は、視力検査・屈折検査を行い、検査結果に応じて眼鏡処方などで治療を開始していきます。遠視は早期発見・早期治療が大切です。
乱視
乱視は、角膜や水晶体が歪んでいるため、外から入る光が眼内で一点に結像しない眼の屈折異常です。このように、乱視は焦点がひとつに定まりません。縦方向と横方向で屈折率が異なるので、網膜にピントが1つに集まりません。したがって、どこを見てもピントが合わずにはっきりと見ることができません。
強い乱視になってしまうと、弱視となる可能性があります。方向によって度数が異なるため、眼鏡で乱視を矯正する場合、空間視の違和感を抱くことが多いとされますが、お子さんの方がこの違和感に慣れるのが早いのが特徴です。
眼瞼内反症(さかさまつげ)
なんらかの原因によって、睫毛が内側(眼球側)に向かう状態で、一般的に逆さまつげと呼ばれています。
眼瞼内反症は、睫毛だけではなく、まぶた全体が眼球側に向いてしまう状態です。
まぶたと睫毛が内側を向いていますが、主に加齢によってまぶたの筋肉が緩んだり、皮膚がたるんだりすることが原因です。また、生まれつきの先天眼瞼内反症の場合もあります。
睫毛が眼球に触れてしまうので、角膜や結膜を傷つけます。眼の痛みや涙・眼の違和感・目やになどの症状が見られます。お子さんが眼瞼内反症を繰り返すことで、角膜が歪んでしまい強い乱視や角膜の濁りが生じることがあります。
斜視
両眼の視線が目標物に合致していない状態を斜視と言います。外見的にも眼の位置がずれているのが明確です。乳幼児期のお子さんは視覚刺激への感受性が高いため、斜視の眼が抑制され、視力発達が阻害されてしまいます。弱視を招くほか、両眼で物を見て立体感や奥行き感を捉える両眼視機能が発達できません。また、学童期以降での斜視は、物が二重に見える複視の症状が起こります。
両眼視機能は、生後2か月頃から5歳頃までに急速に発達して完成する脳機能です。小児における両眼視機能は非常に重要なため、片目つぶりや顔を曲げたり、あごを上げたり、頭をかしげる動作など気になる症状がある場合は、早めに当院にご相談ください。
弱視
眼鏡やコンタクトレンズで視力を矯正しても、視力が回復しない状態を弱視と言います。裸眼視力が0.1以下の場合でも、眼鏡やコンタクトレンズによる矯正で1.0以上の矯正視力が出れば弱視とは診断されません。弱視には、大きく分けて2種類あります。
①未熟児網膜症や先天奇形などによる器質的障害や疾病が原因のもの
②遠視・乱視などの屈折異常が原因で、視機能の発達が中断されているもの
お子さんの場合、②の屈折異常によって発達が途中で止まってしまっていることが多いとされています。
弱視は、早期の治療で改善が見られます。したがって、3歳児検診に屈折異常を測るオートレフ検査を取り入れて、視力検査などで異常とされた場合は弱視を疑って精密検査を受けることをおすすめしています。
先天性色覚異常
光の三原色である赤・青・緑の3つの色を感じ取る視細胞のうち、機能が弱い・細胞が足りないなどによって色の感じ方に異常が見られる状態を色覚異常と言います。
病状の程度やタイプによって認識しやすい色や区別しにくい色はさまざまです。現代の医学での完治は望めませんが、色覚異常と上手に付き合うことで日常生活を快適に過ごすことが可能です。
当院では、お子さんやご家族へ色覚異常の向き合い方や付き合い方のアドバイスを行っています。