視界の中心が見えない・真ん中に見えない部分がある
視界の中心が見えない、または見えない部分がある場合、網膜の真ん中である黄斑部に障害が疑われます。網膜は非常に膜が薄く、とくに物を見る中心部分はおよそ0.25mmと非常に薄い構造となっています。
したがって、穴が開きやすい・出血しやすい部位とされています。
視界の中心が見えない原因と考えられる病気は?
視界の中心が見えない疾患の代表的なものには、黄斑円孔・加齢黄斑変性・糖尿病網膜症・中心性漿液性脈絡網膜症などが挙げられます。そのほかには、視神経炎・眼底出血・脳梗塞などでも同様の症状が見られることがあります。
黄斑円孔
網膜にある黄斑の一部分に穴が開く疾患を黄斑円孔と言います。黄斑に穴が開くと、物が歪んで見える・視力低下などの症状が見られます。
とくに、近視の方や女性に多い傾向があります。
加齢黄斑変性
加齢が原因で、黄斑部分に障害が生じる疾患を加齢黄斑変性と言います。歪んで見えたり、視力障害が起きたりします。原因は、加齢だけではなく、食習慣や喫煙習慣・遺伝的要因・光刺激などさまざまです。
糖尿病網膜症
糖尿病の三大合併症のひとつです。糖尿病罹患者のうち、およそ3分の1が糖尿病網膜症とされるほど、一般的に知られた合併症とされています。糖尿病網膜症は、無症状で病状が進行することが多く、知らぬ間に視力低下が起こり、重篤なケースでは失明に至ることがあります。
早期発見が非常に重要なため、症状がなくても定期的に検査を受けることが大切です。病変の進行度によって、単純糖尿病網膜症・前増殖糖尿病網膜症・増殖糖尿病網膜症の3つに分けられます。
中心性漿液性脈絡網膜症
網膜の一部に水が溜まることで、見えにくくなる、物が歪んで見えるなどの症状が現れる疾患を中心性漿液性脈絡網膜症と言います。一般的に、中心性網膜症と呼ばれています。
物が歪んで見える(変視症)・見えにくい・視界の中心が暗く見える(中心暗点)・実際の物よりも小さく見える(小視症)等の症状が現れますが、ほとんどの場合で片目に症状が見られます。